アジア点描

ルアムジャイ・ガイヤーン

ガイヤーンを焼かせたらチェンマイでも指折りの名店ルアムジャイ・ガイヤーン。ガイヤーンは東北イサーンの名物料理ですが北部チェンマイでも外側はカリッと中はジューシーで美味しいガイヤーンが食べられます。チェンマイの人だけでなくファランにも有名なお店。だからいつ行ってもファランを何組かは必ず見かけます。でもここはあくまでガイヤーン専門店です。イサーン料理屋と思うと間違えます。ソムタムも力を入れているようですが、味がファラン、というかマイルドなチェンマイ人向けになっているようです。その他の料理もちょっとインパクト不足。北部化しているような感じです。だからチェンマイ人やファランにも人気があるのかもしれません。子供や本場イサーン料理が苦手な人には丁度いいかも。

ベジタリアン料理レストラン クン・チューン

チェンマイにはベジタリアン料理レストランが割りと多いので嬉しいですが、その中でここニマンヘミンのクンチューンは私のお気に入りの一つ。チェンマイ在住の人で知らない人はいないというぐらいに有名なベジタリアンレストランです。ガーデンのあるオープンレストランでとても気持ちよく食事を楽しめます。お勧めは昼間のランチブッフェ。とてもリーズナブルなお値段で美味しい料理が食べられるとあって大人気。しかしこの時間にニマンヘミン界隈に出かける機会がないため私はあまり利用できません。だから出かけるのはいつも夕食時。夕方から夜もいい雰囲気でいつも満員状態です。豊富なメニューで何をオーダーしても美味しく楽しませてもらえます。子供連れでも安心して食べさせられる料理が多いことも嬉しいところ。

チェンマイの日本料理レストラン「天国」

チェンマイの日本料理レストラン「天国」はマンダリンオリエンタルホテル ダラ・デヴィ前。タイ語で天国はสวรรค์（さわん）、オーナーとはちょっとした知り合いなのですが、別に示し合わせたような関連はありません。まったくの偶然で同じネーミングをしていたようで、後日この件で大いに盛り上がりました。日本料理レストランですが、内装はちょっと中国宮廷の香りがただようような不思議なオリエンタル感です。でも料理はしっかりとした純日本料理でなかなか美味しいです。ダラ・デヴィ前ということとお店の雰囲気から見ると高級そうですが、お値段はかなりリーズナブルで美味しい日本料理が楽しめます。日本人ではなくタイ人オーナーの日本料理レストランがこんなに美味しい本格的日本料理を提供できるような時代になりました。チェンマイ市内からは距離があるためお客さんはダラ・デヴィに宿泊している人や市内から車で乗りつける人がほとんどですが、オーナーの顔の広さからタイのセレブがたくさん来店します。そんな彼らがテーブルを囲んで食事している様は、タイのテレビドラマでヒロイン家族が食事する様そのままです。チェンマイでハイソな雰囲気で日本食を食べたい時にはお勧めの一軒。

クワイ・チャップ

クワイ・チャップの美味しい店。外はカリッと揚げて中はジューシーで胡椒がピリッときいて大きめムークロップ、そして単品でもオーダーしたくなるホームメードの豚肉ソーセージ。スープは澄んださっぱり味。お好みで唐辛子とチリ入りのお酢をどうぞ。私はお酢をたっぷりと入れるのが好き。クワイチャップはライスヌードル。ヌードルですがヨガマットをくるくると丸めたようなヌードルです。このヌードル、下手なところだとベチャッと丸まっているますが、流石はタイの雑誌等でもよく紹介される有名店、しっかりと腰のある麺になっているためなかなか美味しいです。でも正直、このヌードルよりも具の方が好きです。というわけでお代わりは麺抜き（ガオラオ）の具全部入りで。チェンマイのお粥屋デーン２の先のソイをちょこっと入ったとこ。

ゲーンチャイ

チェンマイで一番美味しいイサーン料理屋さん。ローカルのタイ人だけでなく、チェンマイ在住の外国人の間でも知る人ぞ知る有名店。リーズナブルで本場イサーンの美味しい料理が楽しめます。チェンマイに寄ったときは必ず食べに行くほどのお気に入り。何を食べてもいけます。難点は閉店時間が早いことぐらいかな。チェンマイのVIPもボディーガードをつれてやってくることもあります。実は彼らから教えてもらったお店。

一番のお勧め、ナムプリック・チェオ、いわゆるプララー（パラー）ですね。必ずお持ち帰りします。トム・セープ・ヘット・ルアムミットも美味しいです。定番のナム・トック、ヤム・エン、ソムタムも外せませんね。

タノン・コン・ドゥーンからお散歩コースで歩けます。フットボールのプレミアリーグが熱くなると休みになることもあるかも。

中国北方餃子餐館

レトロな雰囲気満点なチェンマイの餃子屋さん。「中国北方餃子餐館」。一見するとまったくやる気のない中華料理屋です。８０年代の中国にはこういうお店ばかりでしたが、ここのオヤジはその頃の古き良き（？）共産主義中国式営業を地でいっています。初めて入った時は中国語ペラペラのアメリカ人と一緒だったのでたいへんでした。オヤジが今にも殴りかかるんじゃないかというほどに捲し立てて。どうも中国語ができる外国人は気に入らないようです。自分はタイ語があまり話せないのでタイ語ができる外国人もこれまた気に入らないようです。別の機会に来た時、私のことは完全に無視したくせに、日本語で注文していたゴルフ帰りの日本人にはしっかりとサービスしていました。１時間も前から待っているのに、後から来た日本人には料理中の奥さんを押しのけて自分が厨房で料理し、私たちのテーブルを素通りした上で自分自身で給仕するという差別の仕方。奥さんが後から出てきて謝ってくれました。「ウチの旦那はもの凄く偏屈な者でごめんなさい」と。信じられないぐらいの中国人オヤジです。反対にタイ人の奥さんは物腰柔らかく優しいです。この人、日本語もＯＫ。こんな嫌な気分になってもまた来てしまうのは、餃子専門店の美味しい餃子。舌の肥えたチェンマイ子をも唸らせる美味しい餃子が食べられます。

Le Beaulieu

チェンマイのSamoeng山中にバンコクのベストフレンチレストランと言われる Le Beaulieu が支店をオープンしています。王族でもあるChalaluck Bunnag 氏のあの有名な Hill Lodge に併設されたレストランです。オープンエアーで眺めも素晴らしいですね。何より空気が旨い！　バンコク本店に比べて畏まらずに気持ちよく食べられます。そしてリーズナブル。大晦日のディナーが５人でワイン３本開けて２万バーツちょっとはお値打ちです（友人がオーナーとお知り合いということでサービスなのかな）。料理はどれも新鮮で美味しいです。肉類はボリュームがあるのでちょっとキツイですが味は完璧。私はチーズと葉っぱばかり食べていましたけどね。　夕方まだ日が沈む前に到着したので時間はたっぷり。ヒルサイドと名乗る市内のコンドミニアムとは違い、ここは本当のヒルサイド。だから下界が彼方に沈んで見えます。日が暮れるとぐっと気温が下がってくるためストーブを焚いてくれます。ムード満点の隠れ家レストランです。

Hinlay Curry House

インドカレーの専門店「Hinlay Curry House」。インド料理屋ではありませんが、ここのインドカレーは格別です。シンガポール仕込みの本格インドカレーを、静かでゆったりとしたガーデン内 で食することができる隠れ家的レストランです。名前の由来となったハンレー（Hinlay Curry）とはビルマ式カレー（ゲーン・ハンレー）のこと。タイの普通のカレーとはひと味異なりスパイスの利いたインド風のカレーです。外国人には馴染みのある比較的食べやすい味が特徴です。そのハンレーを店名に頂いた「Hinlay Curry House」はタイのHinlay Curryを越えて味は本格派のインドカレー。外国人向けのマイルドなだけのレストランと思ってしまうと間違えます。しっかりとスパイスが利いて食材の味を生かした各種インドカレーは、そんじょそこらのインド料理屋を遥かに凌駕しているからです。味も一流ですが、ここは雰囲気が素晴らしい。街の喧噪から離れた住宅街の一角。ガーデン向こうに構えるコロニアルスタイルの瀟洒な邸宅は、Anna Leonowensの息子であるLouis T. Leonowens所有のものであった由緒ある建造物です。Anna Leonowensとは、「王様と私」、「アンナと王様」等で知られる家庭教師のアンナさんのこと。　場所はWat Kate裏の高級住宅街。ワローロット市場から丁度お散歩にいい感じの距離。メナム・ピンを渡り、正面にあるWat Kate内を通り住宅街に出ればすぐ。メナム・ピン沿いには感じのいい店も多いですが、ちょっと足を伸ばして落ち着いたガーデンで優雅にインドカレーを食べるというのもなかなかです。

カオマンガイ

カオマンガイはタイの代表的な屋台料理の一つで、店を構えた専門店もたくさんあります。タイ人ならずともカオマンガイ好きの人なら、お気に入りのカオマンガイ屋さんをいくつかはキープしているはずです。単純な料理のようで旨い不味いがかなりはっきりとわかるため結構奥の深い料理でもあります。80年代頃は10バーツも出せば食べられましたが、現在では30バーツぐらいから中には80バーツもする店もあります。ここチェンマイでカオマンガイといって真っ先に思い浮かべるお店は、「オーチャー」や「キヤットオーチャー」であることは間違いないでしょうが、そんな有名店の味にも負けない老舗のお店があります。一般の旅行者はまず入らない、というより入るのに躊躇するような店構え。つまり贔屓目に見ても決して小綺麗で清潔なお店には見えないようなと言う意味で。看板に気がつかなければそのまま通り過ぎてしまうようなまったく目立たないお店です。しかしその看板には誇らしげに「カオマンガイ　一皿10バーツ」と書かれているわけですね。まさかぁ、です。今時10バーツでカオマンガイが喰えるわけ無いじゃないですか。どうせ鶏肉はほんの少しで、それも旨くないんじゃないの、という気持ちで冷やかし半分で食べてみました。そして見事期待を裏切ってくれましたよ。　旨いじゃない！　それも件の有名店に負けないよ。値段を考えたらこっちのほうが全然バリュー。おまけに腕を振るってくれるお婆ちゃんはなかなかチャーミング。お金なんかいいんだよ、お客さんに喜んでもらえれば、という感じです。他に「カオカームー」もびっくりするほどに美味しかったです。あとで地元の人に聞いたら知る人ぞ知るところの有名カオマンガイ屋さんだと。

Huan Boran

フアン・ボラーンというタイ料理レストラン。フアンとは「家」という言う意味の北タイ方言。ボラーンは古いとかアンティークとかいう意味。その名の通りに北タイ様式の見事な建築の家をそのまま使ったレストラン。この家、かなり大きく美しい家です。家の前のガーデンでも食事できますが、やはりここは古の北タイ様式を堪能できるフアン・ボラーンの屋内で食事をしたいところです。アンティークな家具や調度品も備えられ良い雰囲気ですが、難点は蚊が多いこと。扇風機と蚊取り線香ぐらいでは追い払えません。肝心の料理は、まあチャイダイという感じでしょうが、よくある観光客用のお店に比べればかなりいけてます。エクセレントとまでは言えないけれどよく頑張っているなという感じ。及第点ですね。ナムプリックをオーダーしておけばまず間違いはないでしょう。　アクセスも非常にいいので、チェンマイ初心者を食事に連れて行くときはよく利用しています。　ナイトバザールからも歩いてすぐ。メーピン沿いのペッガム並び。

07年1月現在、かなり変わってしまいました。メニューが以前と変わっていたので、ちょっといやな感じがしたのですが、残念ながら予想的中。味は完全に外国人向け。客層も外国人とタイ人のお上りさんぐらいです。悲しいのはナムプリック・ヌムが甘くなってしまったこと。砂糖でも入っているのかもしれません。辛くないというレベルではなく甘くて気持ち悪くなります。値段も軒並みアップしています。タイ料理が食べられない方にはいいのかもしれませんが、もう行きたいとは思いません。　地元の人たちの間でもいろいろ噂になっていて、厨房のコックが揃ってメーピン沿いの有名レストラン「スンタリー」に移動してしまったらしいと言われています。　さもありなん。